2019年11月2~3日(土、日) 錫杖岳:注文の多い料理店、左方カンテ (個人山行)


行程
1日目:天気:晴れ
5:40松本合庁-6:20:新穂高温泉駐車場-7:40テン場-8:30取り付きー9:00スタートー13:00終了点-取り付きに懸垂下降 15:00
2日目:天気:晴れのち曇り
5:00 起床-7:00テン場-8:00スタート-11:30終了点-13:00取り付き-14:00テン場-15:00新穂高温泉


メンバー:L:S谷、K藤

 今年はもうクライミングは終わりかなと思っていたところ、K藤さんからお誘いがあったため、まだ行ったことが無い錫杖に行くことにした。
 初日に注文の多い料理店・2日目は天気が曇りという予報だったので、左方カンテとし早めに帰る計画とした。駐車場につくと満車状態。出遅れた我々は、取り付きでかなり待たされる覚悟だったが、着いてみると1番乗りだった。様子がわからない初めてのルートに若干の不安を持ちながら準備をしていると偶然にも前回雲稜ルートで知り合った方達が来た。聞いてみると今回は3回目とのこと、我々はあとからゆっくり登ろうと思ったが2パーティーなので後から登ると言われる。意を決してトライ。結果はここ数日天気が良好だったため、岩も乾いており当日も予報通りの好天でとても楽しいクライミングを満喫できた。
 
11月2日 注文の多い料理店
1P 杉谷:気持ち左上ぎみに登りそれから取り付きよりも右側に上がると大きなテラスでビレイポイント。懸垂用も含めて2か所ある。階段状で簡単そうに見えるが、途中の支点は3か所ぐらいしか取れず、かなりランナウトしびれる。
2P K藤:テラスから左へ4mほど戻り大きな斜めのクラックを登るそのまま左上する。
3P S谷:核心と言われる大きなルーフである。カムは#4→#4→#5と掛けていくと聞いたが、最初は#3でも奥まで入れると使える。スタンスは小さいがしっかりとあるため、
レイバック気味に思い切り体を持ち上げる。上がってしまえば、その上は少し寝ているクラックであり、快適に登る。小さなルーフ下でビレイ。
4P K藤:1mほど右に回り込み上に上がる。その後快適なクラックが続くが、最後も大きなルーフになるため、そこまで上がりきらず早めに右へトラバースしテラスへ上がる。K藤氏はルーフ直下まで上がってしまったため、かなり怖いトラバースをすることになった。
5P S谷:ここも快適なクラックが続くが後半は草付きになり、最後は左方カンテとの合流テラスに着く。
6P K藤:岩が剥がれた個所がところどころある。スタンスも小さく濡れていたら登りたくない。今回は乾いていて快適に登れる。明日は早く帰りたいので、上のほうまで抜けることにした。50mいっぱいで最上部の懸垂下降地点まで登れる。
懸垂下降は登ってきているパーティーの邪魔にならないように、ところどころで待ちながら登ってきたコースを3回の懸垂で降りた。
ギアはカムが#1~4を2セット #5を1セット使用した。

11月3日 左方カンテ
朝の冷え込みもあまりなく、取り付きにも誰もいない貸し切り状態。のんびりと8時スタート。3、5、6Pはなかなか面白いルートだった。
1P S谷:ルンゼ状を倒木などよけながら、50mいっぱいまで登る。支点はハンガーでしっかりしている。
2P K藤:ルンゼ状を更にピナクルまで登る。
3P S谷:カンテに上がってから左に上がるルートはハングを超えてからすぐ右へトラバースするルート。右ルートは微妙なトラバースで上部右側の見えないガバをとる。
事前にS川さんから聞いていたので、ここは当然右ルートへ進む。スラブ状で難しそうに見えたが取り付いてみるとカチ・小さなステップなどがありクラックに0.3#前後のカムを決めて登る。
4,5P K藤:簡単な草付きをコンテで登りワイドチムニーはホールドがあるので、普通に登れます。
6P S谷:ホールドがたくさんあるフェース。小さめのカムも使え、楽しく登る。
7P K藤:大きなテラスで大休止。チョックストーンまでのホールドが悪い。K藤さん軽くオンサイト。すばらしい。
その後は斜めのクラックを登り注文の多い料理店と合流。その上は昨日登ったので、ここで終了とした。注文の方に懸垂したかったが、3パーティー程登ってくるようなので、左方カンテに懸垂下降した。最初はチョックストーン上にザイルが落ちるため、回収する必要あり。そのあとは問題なく下まで3回で降りることができた。
ギアはカムが#0.3~3を2セット使用した。
S谷 記

以下K藤追記
注文の多い料理店:ここはぜひ登っておきたかった。まずルート名がかっこいい、ひたすらかっこいい。2ピッチ目、クラック沿いを前進するが、苦手なサイズのクラックに難儀し、かなりもたついた。4ピッチ目、クラックをハングまで突き進みハングを逆側の左側上がってしまったため、戻ってトラバースするのがとても恐ろしかった。以降のピッチは快適だった。
実際登ってみるとラインも最高にかっこよかったし、ナチュプロ主体というのも男気のある非常に楽しいルートだった。核心はS谷さんが見事に落としてくれました。さすがです。次回登るときは奇数ピッチをリードしたい。
左方カンテ:2ピッチ目は大きな岩で脆い岩に気を付けながら登った。きわめて快適だった。3ピッチ目、フォローだが核心で落ちた。一手だけだが難しい。5ピッチ目、想像より開いていて大きいチムニーで拍子抜けした。快適に登った。7ピッチ目、核心はA0とガイドブックに書いてあったので、ビビるが、ペツルがあるのでグランドはしない。落ち着いて足をしっかり上げたら、ガバがとれたので抜けることができた。その後は快適。とても気持ちよく登った。
 両ルートを登れて満足な二日間になった。注文より左方カンテが優しく感じた。まだ錫杖なんて早いと思っていたが、S谷さんのおかげで登ることができ、本当によかった。今シーズンの良い締めになりました。


 

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  • テン場 たくさんのテント
    テン場 たくさんのテント
  • 注文の _取り付き
    注文の _取り付き
  • 注文の _取り付きから右へ登る  中央左側に3p目のルーフが見える
    注文の _取り付きから右へ登る 中央左側に3p目のルーフが見える
  • 4p目終了点近く 早めにクラックから右へトラバース
    4p目終了点近く 早めにクラックから右へトラバース
  • 5p目左方カンテとの合流地点
    5p目左方カンテとの合流地点
  • 6p目 細かなスタンスのフェース
    6p目 細かなスタンスのフェース
  • 終了点
    終了点
  • 懸垂下降 3p目のルーフと4p目のルート
    懸垂下降 3p目のルーフと4p目のルート
  • 左方カンテ 1p目 上部から
    左方カンテ 1p目 上部から
  • 3p目 隠れたガバを越えたところ
    3p目 隠れたガバを越えたところ
  • 6p目 ホールドが豊富なフェース
    6p目 ホールドが豊富なフェース
  • 7p目 チョックストーンを越えて斜めのクラックを登る
    7p目 チョックストーンを越えて斜めのクラックを登る