2016年 7月10~11日(日、月) Mont Blanc(モンブラン)登山 (20周年記念 )


行 程
10日;エギュディミディ17:00(3842m)→コスミック小屋16:15
11日;コスミック小屋1:25→モンマディ下5:30~上6:00(4267m)→モンブラン頂上9:00(4807m)
モンブラン9:00→グーテ小屋13:00(3863m)→テートルース小屋15:50(3167m)→ニ・デーグル駅17:20(2386m)

メンバー:S谷 M井 K藤 T島

(一日目)9日夜ジュネーブに入り、翌日シャモニーへ移動。その日の夕方には、コスミック小屋に入るという、非常にタイトなスケジュールとなる。天気予報から、11日の午前中までが何とか晴れている。その日のモンブランアタックを外すと、3日間は登れなくなるため、こういう結果になった。
 15時間の長いフライトと移動でヘロヘロになりながらも、気合を入れる。シャモニーからロープウェイで一気に、標高3842mのエギュディミディまで上がる。ここからは、約1時間程度、特に危険な個所もなく、タラタラと歩いていると、コスミック小屋に到着した。
 
(二日目)0:30簡単に朝食を済ませ、1:30コスミック小屋を出発。私達の行くコスミック小屋経由のルートは、3つのMont(モンデュタキュール・モンモディ・モンブラン)を超すというトラバースルートで長い大変なルートとのことであるが、一般的なグーテ小屋ルートと比較して、さほど大差はないと思われた。逆に、復路にグーテ小屋ルートを使用したが想像以上に大変だった。
 真っ暗の中を歩く。行く先にモンブランを目指す人達のヘッ電がいくつか連なって見える。暗いため、モンデュタキュールをいつ頃通過したのかわからなかった。
 モンモディのあたりで、夜明けとなる。モンモディがこのルートの核心であり、急斜面となり、確保で登りとなる。先発に4人組グループが登り始めており、それを待って出発。ここで30分程待機する。寒くて震えてくる。
 約2ピッチ。前半の1ピッチの傾斜がきついが、八ヶ岳の阿弥陀南稜の氷が少し緩くなったような感じがイメージに近かった。空気が薄くなってきているので、息の切れ方は半端ではない。足のふくらはぎは痙攣するかと思った。
 この傾斜を登り切ると、モンモディの頂点。この尾根が壁となっていたのか、乗り越えると風が半端でなく強い。そして、モンブランが目の前に見える。モンブランは見てわかるように、丸い山であり、ここからは標高差約500mの緩やかな斜面を登る。ピッケルをしまい、ストックに切り替える。
 4500mからきつかった。速度は当然落ちる。計算すると1時間150mしか上がれていない。風は更に強く、モンブランはすっかり雲の中となり、どこを歩いているのかわからない。正直、天気の悪い冬の大渚山を歩いているような錯覚がした。ここは本当にモンブランなのか?と思いながら歩き、気づくとモンブランの頂上に着く。頂上は丸い丘で、本当に大渚山だ!景色は全く見えず、モンブランに登ったという実感が全く沸かない。とにかく風が強い。少し雪が降っており寒く、記念写真だけを取って5分といず下山する。
 下山は、一般的なグーテ小屋ルートをとる。トレースづたいに尾根を歩き、途中からトレースは尾根を外れる。結果的にはこの道で正しかったのであるが、斜面が急な所で、2人組のスペイン人と会う。「彼ら曰く道を間違えたのではないか?!」と。我々も自信をなくし、ルート確認をする。間違えたのはないかと10分ほど尾根を登り返した。まさかこの標高で登り返しをすることになるとは…私達のいつもやっているパターンをヨーロッパに来てまでやるとは思わなかった。
 増々風は強くなるし、視界は不良。ここで一瞬ビバーグかと頭をよぎったくらいだ。スペイン人と話しがまとまり?元の道を戻る。グーテ小屋までの4時間は長い。全員疲労感が漂う。コンテで歩いている姿は、アルピニストの雄姿ではなく、奴隷が打ちひしがれて歩いている姿を思ったくらいだ。ほとんど飲まず食わずで、まともに休憩はとっていない。エネルギーは当然切れており、踏ん張りが効かなくなっている。グーテ小屋から下が、雪崩の多いクーロワールまで岩稜を下り、ワイヤーが所々設置されており、それに掴まりながら歩くが、これが更に疲労に拍車をかける。グーテ小屋からテートルース小屋まで標高差約700mあった。
 テートについても、更に駅まで、約750m程高度を下げないといけない。ここからはハイキング的なコースとなり、ハーネス、ヘルメットは外して歩くことになるが、ここで2グループに分かれた。k藤、S谷の2人は疲労で歩けないということで、テートルース小屋で泊まることになり、残りの2人は何とか駅まで降りて下山となった。翌日昼頃、二人が下山し、Mont Blanc登山は終了となる。
①コスミック小屋ルートの標高差;965m
②グーテ小屋ルートの標高差;2421m

一言感想:
S谷;4000mを超えた酸素の薄さの大変さを改めて感じました。
M井:3回の富士山トレーニングでは毎回頭痛があったが、訓練の甲斐があり、今回頭痛なく高山病にならなかくて良かった。
K藤:日本の山と違い、山自体が大きく、スケールの大きさを感じた。僕は、アルピニストに近づけたような気がした。
T島:ヨーロッパのアルプスは想像通りに格好良かったが、ヨーロッパのアルピニストは想像を超える程、格好良かった。

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  •  ロープウェイから見たエギュディミディ
    ロープウェイから見たエギュディミディ
  •  エギュディミディ
    エギュディミディ
  • エギュディミディ この柵の向こうから歩きだし
    エギュディミディ この柵の向こうから歩きだし
  •  エギュディミディからの歩きだしルート
    エギュディミディからの歩きだしルート
  •  コスミック小屋
    コスミック小屋
  •  モンモディからみた夜明け
    モンモディからみた夜明け
  •  モンモディの下部
    モンモディの下部
  •  モンモディを登る 傾斜は50度 1ピッチ目約30m
    モンモディを登る 傾斜は50度 1ピッチ目約30m
  •  モンモディをバックに
    モンモディをバックに
  •  Mont Blancをバックに
    Mont Blancをバックに
  •  Mont Blanc頂上
    Mont Blanc頂上
  •  グーテ小屋
    グーテ小屋
  •  グーテ小屋から見たエギュディミディ
    グーテ小屋から見たエギュディミディ
  •  テートルース小屋~グーテ小屋間の岩稜 標高差700m
    テートルース小屋~グーテ小屋間の岩稜 標高差700m
  •  ニデーグル駅
    ニデーグル駅