2020年 9月19日瑞牆山本峰南壁 トムソーヤの冒険 (クライミング、個人山行)


行程
7:00駐車場→9:00取付き→12:00だるまフェース→13:30頂上→16:00駐車場

メンバー:L:S谷、K藤

 S谷さんに誘われ、久々にマルチピッチをやりにいくことになった。瑞牆山の登山口駐車場に着くも雨がザアザア降っている。今日は普通に登山して取付きだけ確認して終わりかなと思いながら雨があがるのを待って歩き始めた。2時間弱で大ヤスリへの分岐に着き、行き過ぎたので少し戻るとテープの先に踏み跡があった。そこから10分ほどで1つ目の洞穴、その先に取付きである2つ目の洞穴に辿り着いた。日が陰っているが、すっかり雨もあがり風もないので取付いてみることにした。
 1ピッチ目S谷さんのリード。正面の洞穴の左側の岩をクラック沿いに登るのだが、見た目より悪い。出だしが核心でS谷さんがなんとか抜けた。2ピッチ目は洞窟の中のワイドクラックを登るピッチ。想像していたより明るく上から日が射しているのが見える。ワイドクラックは大嫌いなのでリードしたくなかったが、S谷さんが万全ではないということで仕方なくリードすることになった。苦手なワイドクラック避け、左側の壁を上がり背面の壁も使いながら立体的に登ろうと試みるが、うまくいかない。一旦仕切りなおして正面からクラックに入っていくことにした。そうするとなんとか上がれたが、大分消耗していたためカムでA0してしまった。洞窟を抜けると平らになっていて真上にチョックストーンがあった。その奥の穴から上に抜けるか手前から上がるか悩んだ結果、奥から行くことにした。しかし、穴は自分の体の幅ギリギリのサイズで抜けるのに相当難儀した。たぶん手前から抜けるのが正解だっただろう。穴を抜けピッチを切ったが、屈曲したロープを上げるのにも苦労し、この時点でもうヘロヘロになっていた。小休止をして3ピッチ目はだるまフェースへ向けて右上へトラバース。草付のスラブが恐ろしかった。その後、少し歩いてすぐにだるまフェースへ出ることができた。
 だるまフェースは非常にかっこよく、しっかり乾いている。久々のハンドクラックにびびりながらもリードすることになった。取付いてみると適度に休めるポイントがあり、気持ちよく登ることができた。クラックの終点にピナクルがあり、その先は裏側へクライムダウンする必要があるので残地シュリンゲに捨てビナをつけ、張り気味にしてもらってクライムダウンした。5mほど下降して地面に着地し、少し上がって適当なピナクルでピッチをきった。そして、遂に本峰が見えた。あとはまっすぐ突き進むのみ。岩と岩の間に必死で体をねじ込み前進した。左手には去年登った大ヤスリが見える。その圧倒的な存在感に我ながらよく登ったと思う。まもなく賑やかな声が岩の上から聞こえてきて、やっと頂上へ抜けた。久々のマルチだったが、怪我もなく無事に登ることできて安堵した。ルートは短めではあるが、バラエティに富んだ内容でまさに“冒険”であった。おなかいっぱい満足です。
 (K藤)

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  •  1ピッチ目
    1ピッチ目
  •  2ピッチ目洞窟
    2ピッチ目洞窟
  •  4ピッチ目だるまフェースのクラック
    4ピッチ目だるまフェースのクラック
  •  大ヤスリ岩
    大ヤスリ岩
  •  頂上
    頂上